タイ首相、習近平国家主席と会談 AI・次世代産業で協力強化 2+2新設で安全保障も連携

【タイ・中国】アヌティン・チャーンウィーラクーン首相は7月17日、上海市の西郊国賓館で習近平国家主席と会談し、タイ中協力関係を新たな段階に引き上げる方針を確認した。会談は幅広い分野に及び、AI、次世代産業、投資、地域の安全保障などで協力を強化し、タイ経済の新たな成長機会を創出することで一致した。

 習主席は、7月28日のタイ国王誕生日に際し祝意を伝え、昨年のタイ国王夫妻の中国公式訪問に対する謝意を表明した。両首脳は「タイと中国は家族同然」との認識を共有し、包括的な戦略的パートナーシップを一層深化させる方針を確認した。

 両首脳は長年の友好関係を基盤に、経済成長、競争力向上、国民の利益につながる協力を具体化する意向を示した。アヌティン首相は、中国を「信頼できる古くからの友人」と位置づけ、AIが次の10年の競争力を左右する重要技術になると指摘。タイと中国が技術開発、人材育成、AIガバナンスで協力し、国民に公平に利益が行き渡る仕組みを整える必要性を強調した。また、オンライン犯罪や気候変動など新たな課題への共同対処にも言及した。

 首相はさらに、AI、半導体、ヘルステック、クリーンエネルギー、グリーン産業など「未来の産業」への投資拡大を提案。中国の高度技術企業に対し、タイを生産拠点や地域本部として活用するよう呼びかけた。サプライチェーンの連結、人材育成、国産原材料の活用を進め、質の高い雇用とタイ経済の競争力向上につなげたい考え。

 両国は、陸海空の交通インフラ、物流、貿易の連結強化、地域鉄道網の整備促進でも一致。宇宙技術、保健医療、人材開発、国民交流の拡大を通じ、長期的な相互理解と協力を深める方針を確認した。

 安全保障分野では、両国の外相と国防相による「2+2」協議の新設で合意。戦略対話の枠組みを整え、オンライン犯罪対策、情報交換、新たな脅威への対応を強化し、地域の安定に寄与することを目指す。

 地域情勢では、アヌティン首相がタイ・カンボジア問題の解決に向けた中国の支援に謝意を示した。ミャンマー和平プロセスの支援、アセアン、中国、APEC、メコン・ランチャン協力など地域枠組みでの連携強化でも一致した。

写真:タイ首相府

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