【タイ】タイ投資委員会(BOI)が、タイ政府による電気自動車(EV)優遇政策の補助金を受けているメーカーに対し、生産ノルマを緩和すると発表した。タイは今年、自動車販売台数が予想以上に低迷。ノルマに追われていたEVメーカーからは「もはや達成は無理」という嘆きの声が挙がっていた。
生産ノルマ緩和は、ペートーンターン首相を委員長とする12月4日の国家電気自動車政策委員会で決定された。対象となる優遇政策は「EV3.0」で、補助金付与の条件として「輸入車」と「国内生産車」の台数比率を2024年は「1:1」、2025年は「1:1.5」とすることが義務付けられていた。そのノルマを、EV3.0に続いて打ち出された優遇政策「EV3.5」の条件と同じく、2026年は「1:2」、2027年は「1:3」とする。また、EV3.0の枠内で輸入して販売できていない車両は、再輸出してノルマから外すことも認められる。
タイ工業連盟(FTI)自動車部会がまとめた国内(新車)販売台数は10月、前年同月比36%減の3万7691台で、2021年5月にロックダウンが解除されて以降、54カ月ぶりの少なさとなった。1~10月は前年同期比26.2%減の47万6350台。ピックアップの販売台数は同40%減の16万8851台だった。販売台数減少の大きな理由は、金融機関のローン審査の厳格化にあり、政府も責任の一部を問われている。
2024年10月の自動車生産台数は前年同月比25.4%減の11万8346台、1~10月は前年同期比19.3%減の124万6372台だった。