更新:タイの各メディアがカンボジア・プノンペンからの報道として伝えるところによると、銃撃戦でカンボジア兵1人が死亡した。カンボジア軍は「タイ側から先に発砲があり、兵士が被弾した」と主張。一方のタイ軍は「カンボジア兵による塹壕掘りの中止を要請したところ発砲を受けた」と主張している。
【タイ】東北部ウボン・ラーチャターニー県チョンボックのカンボジア国境で5月28日午前5時45分頃、タイ軍とカンボジア軍の間で短時間の銃撃戦が発生した。両軍の地元部隊の司令官が停戦で合意、本格的な衝突は回避された。死傷者はなかった。
チョンボク一帯はタイ、カンボジア、ラオスの3カ国の国境が接し、観光誘致を目的に「エメラルド・トライアングル」と名付けられている、しかし、カンボジアとの国境の一部が未確定で治安が不安定な状態が続いており、一般人の入域は規制されたままとなっている。軍事的には「現状維持」で合意しており、タイ・カンボジア両軍は部隊の移動、建設、掘削などに関し、相手への事前通告を必要とする。
今回の衝突は、タイ軍がカンボジア軍の部隊移動と陣地形成の動きを察知し、部隊を巡回させたことがきっかけ。これにカンボジア軍が対応し、銃撃戦に発展。5時55分には停戦となった。タイ軍も通常の巡回ルートをたどっており、両軍による事実誤認だったと伝えられる。
タイ・カンボジア国境を巡る問題は、シーサケート県やスリン県などで散発的に発生するが、ウボン・ラーチャターニー県ではまれ。