【タイ】タイ警察サイバー犯罪捜査局は1月28日、中国との連携でタイ・ミャンマー国境の犯罪拠点を一掃していくと発表した。前日27日にはバンコク都内で、同局と中国国家安全部による協議が開かれた。
タイ北部ターク県メーソート郡とムーイ川を挟んだミャンマー・ミャワディーに存在する犯罪拠点は、今月初めに中国人俳優がタイ経由で拉致されたことで、世界的に広く知られるようになった。これによって中国当局が取り締まりに向けて本格的に動き出し、同事件に関与した中国人の男が1月25日にタイから中国に戻ったところで逮捕されたというニュースも報じられた。
タイ警察と中国国家安全部は27日の協議で、ミャンマー、ラオス、カンボジアの犯罪組織の一掃を目指し、協力体制を築いていくとした。合同チームの設立、中国人俳優の拉致に関与した容疑者残り20人の逮捕、ミャワディーの犯罪拠点へのタイからの送電の停止、ミャンマー国内3カ所の犯罪拠点での被害者の特定、犯罪組織のタイ国内での摘発などが話し合われたという。ミャワディーの犯罪拠点の電力については、タイ側から送電されているとニュースで報じられ、タイ当局が批判を受けていた。
ミャワディーの犯罪拠点では特殊詐欺、サイバー犯罪、人身売買などが公然と行われていると一部メディアが報じていたが、いわゆる都市伝説ともとらえられ、広く知られることはなかった。国境を接するタイ側ターク県の住民は、ある程度の内情を把握していたもよう。同拠点を含むミャンマー、ラオス、カンボジアの犯罪拠点のほとんどは、中国人が関与しているとされる。