【タイ・中国】タイ北部ターク県メーソート郡で行方不明となり、ミャンマー側の犯罪拠点に連れ去られた可能性があるとされていた中国の俳優シンシン(星星、本名:王星、31)さんが1月7日午後4時半頃、タイ警察に保護されてタイに再入国した。心配されたとおり、ミャンマー国境の町のミャワディーで特殊詐欺を強いられそうになったという。
タイ警察のこれまでの調べによると、シンシンさんは1月3日午前3時過ぎにスワンナプーム空港に到着。タイの有名エンタメ会社のスタッフと名乗る人物に迎えられ、そのまま車でメーソートに移動し、午前10時過ぎに到着したという。そこで待っていた別の車に乗り換えてミャンマー国境のムーイ川に行き、舟でミャワディーに渡った。シンシンさんはこのとき自分が騙されたことに気付いたが、あえて抵抗しなかったという。中国の交際相手とやり取りしていたチャットアプリはこの辺りで途絶えたもようで、行方不明の届け出のきっかけとなった。
タイ警察は3日昼の時点で、「メーソートでの目撃情報があり、正規で国境を通過した形跡は見られない」とのみ発表していたが、数時間で事態が進展。シンシンさんの身柄はミャンマー国軍に近いとされるカレン民族軍(タイでは旧名のカレン国境警備隊と報道)によって保護され、午後4時半頃タイ警察に引き渡された。中国政府の圧力が犯罪組織からの解放につながったもよう。シンシンさんは丸坊主でタイに戻ってきたが、暴行などは受けなかったという。犯罪拠点では実際に、中国人相手の特殊詐欺のやり方を教わることになっていたと話している。
タイ警察は、シンシンさんが本来の仕事が特殊詐欺であることを少なからず知っていた可能性もあるとし、さらに詳しく事情を聞くとしている。