【タイ】運輸省は、南部チュムポーン〜ラノーン間(クラ地峡)のおよそ110キロの複線鉄道の整備を推進すると発表した。タイ国鉄(SRT)の線路網とアンダマン海の港を結ぶ「未接続区間(ミッシングリンク)を補完する路線」として位置づけられ、総事業費は270億バーツ(1300億円相当)超を見込む。
サンペット・ブンヤーマニー副運輸相によると、チュムポーン〜ラノーン間に線路が敷設されれば、北部、東北部、中部、南部からの貨物をアンダマン海側のラノーン港まで鉄道で直送でき、チュムポーン以西でトラック輸送に切り替える必要がなくなる。これによって物流コストの削減、輸送時間の短縮、輸出競争力の向上が期待される。
タイ湾側とアンダマン海側を結ぶ新たな交易ルートが形成され、バンコク港、東部レームチャバン港、マープタプット港は東部・中部向けの役割を維持し。ラノーン港はインド洋およびBIMSTEC(ベンガル湾多分野技術経済協力イニシアチブ)諸国、中東、アフリカ市場への玄関口となる。
同地域ではこれまで、陸路で連結する南部経済回廊「ランドブリッジ」計画が進められてきたが、ここにきて優先度の低下が懸念されている。政府は、「ミッシングリンク戦略は南部の経済機会を損なうものではない」とし、今回の鉄道整備に目を向け始めた。事業の詳細設計は完了し、環境影響評価(EIA)を経て内閣審議に付される予定とも報じられている。承認されれば、3年の建設期間を経て開通となる。
サンペット副運輸相は、「タイのインフラ整備は個別事業から道路・鉄道・港湾・空港・国境検問所を連携させたネットワーク型に移行し、長期的な競争力強化を目指す段階に入った」とも述べている。
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