有益供述で死刑回避、終身刑に タイの「シアン化合物のエム」連続毒殺疑惑

【タイ】刑事裁判所は2月20日、警察少佐をシアン化合物を用いて毒殺したとし、サラーラット・ランシウッターポーン被告(39)に終身刑を言い渡した。被告は通称エムであることから「シアン化合物のエム」として知られ、少なくとも14人にシアン化合物を投与して殺害した疑いが持たれている。

 今回の判決は、2023年4月1日にバンコク西郊ナコーン・パトム県で、警察少佐の食事にシアン化合物を混入して殺害した事件に関するもの。裁判所は、被告が過去に警察少佐に対して行った詐欺行為に関連し、金銭目的で殺意をもって犯行に及んだと判断した。当初は死刑が言い渡されたが、被告が罪を認めて有益な供述を行ったことから、終身刑に減刑された。

 被告はこの事件のほか、やはりシアン化合物を用いて知人女性を殺害しており、2024年11月20日に死刑判決を受けている。このときも被害者が死亡した後に所持品を奪っていた。

 捜査当局は、被告が2015年から2023年にかけて少なくとも14人にシアン化合物を投与して殺害した疑いがあるとみている。動機は借金返済の回避や金品窃取とされ、オンライン賭博への依存、多額の資金移動、証拠隠滅の試みなどとの関連も指摘されている。身籠っていた2023年4月25日に逮捕され、同年6月に妊娠5~6カ月で流産した。

 タイでは、シアン化合物の購入は一定量以下であれば合法で、多量に購入する場合にのみ許可が必要とされる。

14人殺害・1人未遂容疑の「シアン化合物のエム」、1人の裁判で死刑判決
タイ警察高官妻逮捕、シアン化合物押収 知人10人毒殺か

連行されるサラーラット容疑者(2023年4月) 写真:POLICE TVより

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