【タイ】タイ政府は、国民が自らの健康情報を主体的に管理できる「デジタル健康ウォレット(Digital Health Wallet)」の導入に向け、世界保健機関(WHO)と連携して取り組みを進める。保健省とWHOが東南アジア地域を対象としたワークショップを開催し、デジタル健康ウォレットの開発方針について協議した。
デジタル健康ウォレットは、診療記録、検査結果、処方履歴などの重要な健康情報を、国民自身が安全なデジタル環境で一元的に管理できる仕組み。利用者は自らアクセス権限を設定でき、必要に応じて医療機関に情報を提示することで、診療の重複を減らして治療の継続性を高める効果が見込まれる。
このような仕組みが整えば、医療機関側も必要な情報に迅速にアクセスでき、診療の質と効率の向上につながるとしている。タイ国民のみならず、外国人労働者、旅行者、頻繁に国境を越えて移動する人など、複数の医療機関で治療を受ける患者も恩恵を受けることができるとし、共通の国際標準に基づくデータであれば、紙の書類を持ち歩く必要がなく、どこでも同じ情報を利用できるようになる。
パッタナー・プロームパット保健相はすでに、国民を中心に据えたデジタル医療への転換を加速するよう関係機関に指示。先の協議でも、タイがインドネシア、ラオスとともに地域のパイロット国としてWHOの国際標準に基づく健康情報交換の枠組みづくりを主導する方針を示した。国際的な健康情報連携の基盤となることが期待されている。
























