タイ首相解任も 8月14日に憲法裁判決 後任に与党第2党党首浮上
- 2024/7/25
- タイ政治
【タイ】議会上院の前議員40人がセーター・タウィーシン首相(62)の解任を憲法裁判所に求めた裁判の判決が8月14日に下る。
4月の内閣改造で首相府相として入閣したピチット・チューンバーン氏(65)が過去に実刑判決を受けて服役したことから、憲法が定める閣僚資格に違反する人物を閣僚に任用したとして、セーター氏を訴えた。ピチット氏は5月に辞任した。
セーター氏が憲法裁により首相を解任された場合、後任の首相候補は、議会下院の連立与党第1党プアタイ党のペートーンターン・チナワット党首(37)と与党第2党プームジャイタイ党党首のアヌティン・チャーンウィーラクーン副首相兼内相(57)の2人に絞られる見通しだ。
ペートーンターン氏はプアタイ党の実質的なオーナーとされるタクシン・チナワット元首相(74)の次女。タクシン氏は2006年のクーデターで自身が、2014年のクーデターで当時首相だった妹のインラク氏が事実上の国外亡命生活を余儀なくされた。現在の不透明な政治状況の中、娘のペートーンターン氏を首相に就かせて危険にさらす可能性は低いという見方もある。
アヌティン氏は地場ゼネコン(総合建設会社)大手シノタイ・エンジニアリング・アンド・コンストラクションの創業家出身。タクシン政権(2001〜2006年)で副保健相などを、軍・王党派が主導した第2次プラユット政権(2019〜2023年)で副首相兼保健相を務め、タクシン氏、王党派の双方と良好な関係を築いている。6月に行われた、職種団体の立候補者の互選で選ばれる議会上院(定数200)選ではプームジャイタイ党が勝利したとされ、今月23日、プームジャイタイ党に近い元県知事が上院議長に選出された。先週末にはタクシン氏、アヌティン氏ら与党幹部が東北部のゴルフリゾートを訪れゴルフや夕食会を楽しんだと報じられた。