【タイ】革新派のガウクライ党(ムーブフォワード党)、タクシン元首相派のプアタイ党、深南部のマレー系イスラム教徒住民の支持を受けるプラチャーチャート党など連立政権樹立を目指す8党は30日、バンコク都内のプラチャーチャート党本部で会合を開き、政策のすり合わせや閣僚ポストの調整などを行った。次回の会合を来週、プアタイ党の本部で行う予定。
14日投票のタイ議会下院(定数500)総選挙で、ガウクライ党は暫定151議席を獲得して第1党となった。プアタイ党は141議席で2位。両党は小政党6党と310議席前後を確保し、連立政権を樹立する構えだ。ただ、首相指名選挙にはプラユット軍事政権(2014~2019年)が議員を選任した非民選で王党派の議会上院(定数250)も投票するため、政権樹立にはあと70議席程度必要となる。ガウクライ党は国王批判を禁じた不敬罪の改正・廃止、徴兵制の撤廃などを掲げて王党派と正面から対立しており、首相指名選挙で上院の支持を得られるかどうかは不透明だ。
王党派はまた、ガウクライ党のピター党首がメディア会社の株式を所有していて現行憲法に違反しているとして、ピター党首の公職追放を求めている。裁判所命令によるガウクライ党の解党を目指す動きもあり、同党による政権樹立は難航が予想される。