【タイ・マレーシア】タイの複数メディアがマレーシアからの報道として伝えるところによると、マレーシア政府がタイとの国境を成すスンガイ・コーロック川の河口整備で予算30億リンギット(230億バーツ、1000億円相当)を計上した。洪水リスクの軽減、地域社会の安全確保、国家安全保障の強化などが目的だという。
タイ・マレーシア国境を巡っては、ペートーンターン・チナワット首相が2024年12月にマレーシアを訪問した際、アンワル・イブラヒム・マレーシア首相との会談で、インフラ開発、観光促進、安全保障強化などを協力して進めていくことが確認された。タイ政府は今年2月、タイ深南部で345億9000万バーツを投じる鉄道複線化の計画を発表。同月に予算46億バーツの南部でのインフラ開発や観光促進などを閣議承認した。
マレーシアは今回、(タイ側ナラーティワート県タークバイ郡の)スンガイ・コーロック河口の浚渫(しゅんせつ)工事、スンガイ・コーロック川に沿った防護壁の建設を行う予定で、タイ政府に通知済み。最終承認を待って着工し、完工は着工から3年後を見込む。
2024年11月には、(タイと国境を接する)マレーシア・クランタン州でスンガイ・コーロック川に沿った「国境の壁」建設の案が浮上したが、後にマレーシア中央政府が「巨額で非現実的」と発言し、立ち消えとなった。