【タイ】南部ソンクラー県ハジャイ駅からナラーティワート県スンガイ・コーロック駅までの鉄道の複線化が計画されている。マレーシアとの国境貿易の活性化を目指すもので、予算は345億9000万バーツ(1600億円相当)が見込まれる。
スリヤ・ジュンルンルアンキット副首相兼運輸相によると、複線化の計画はペートーンターン・チナワット首相が打ち出した対マレーシア政策に沿ったもの。鉄道によってタイとマレーシアの接続性を高め、タイ南部各県の国境貿易や観光を促進していく。
予算の345億9000万バーツは、ハジャイ駅からスンガイ・コーロック駅までの216キロの複線化、各駅および貨物ヤードの開発・改良に投じられる。ハジャイ駅以北は、2800億バーツ規模の複線化プロジェクト6件のうちに組み込まれ、現在タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)の承認待ちの段階だという。
スンガイ・コーロック駅とマレーシアのランタウパンジャン駅をつなぐ国境の鉄道橋は存在するが、2005年から使用されていない。かつては列車を利用した密輸が問題視されていた。
タイ国鉄(SRT)による事業化調査のための予算8000万バーツが認められれば、2026年内に同調査を終了させ、設計、環境影響評価(EIA)と進み、2028年に閣議の承認を得ていくことになる。土地収用や入札を経て2029年に着工、2034年の完工を見込む。