【タイ】タイ警察は2月4日、タイ北部ターク県メーラマート郡に設置した検問所で、大量のインターネット機器を押収し、荷物を運んでいたメーソート郡在住の男(54)を逮捕した。ミャンマー国内の犯罪拠点向けだったと見られる。
地元警察や国境警備警察などによるタスクフォースが、ターク県メーソート郡からメーラマート郡にかけてのミャンマー国境となるムーイ川沿いを警備中、出入国や税関の検査施設のない桟橋から対岸に渡ろうとしていたピックアップトラックを捜索。荷台からインターネット接続機器40台、ルーター26台、CCTVカメラ76台、カメラスタンド100台、サーバー1セット、305メートル相当のLANケーブル4本、現金17万バーツなどを発見した。
メーソート郡から見えるミャンマー・ミャワディー側のいくつかの建物が、中国人による特殊詐欺の犯罪拠点であることが明らかになったことから、軍や警察などのタイ治安当局が拉致被害者の救出や密輸防止などで国境警備を強化している。また、ミャワディー一帯は電力をタイ側に頼っていることから、ターク県行政が送電量の調整に乗り出した。
犯罪拠点で詐欺を強いられている外国人はたいてい、スワンナプーム空港に到着後、タイ国内を移動してムーイ川を不法越境して連れられており、救出された一部の被害者の証言などで、これまでに相当数の外国人が被害に遭っていることが分かってきた。現在、早期の対策に乗り出さなかったタイ政府やタイ警察が批判にさらされている。