バンコクのオフィス市場、競争激化で貸主が優遇策を拡大

【タイ】タイのメディアが不動産コンサルタント会社「Cushman & Wakefield Services (Thailand) Co., Ltd.」の分析として伝えるところによると、2026年第2四半期は新規オフィスビルの供給がなかったものの、バンコクのオフィス市場は依然として競争が激しく、貸主が空室の消化に向けて優遇策を一段と強化している。新築ビルのオーナーは、既存ビルが提示する各種インセンティブに合わせる形で、物々交換型の取引や柔軟な契約条件を提示する例が増えているという。

 従来の割引やフリーレントだけでなく、保険会社の入居を促すために保険商品を購入したり、IT機器メーカーを内装工事やIT調達の入札に招いたりするなど、貸主側の提案が多様化しているという。近年竣工した新築ビルの一部は、改装済みの既存ビルが提供する「内装済み区画」などの条件をそろえ、入居促進を図っている。

 同社の調査によると、第2四半期のバンコクのオフィス供給量は前期と同じ915万平方メートルで、内訳は中心業務地区(CBD)が503万平方メートル、周辺部が241万平方メートル、郊外が171万平方メートル。グレード別ではAが38%、Bが58%、Cが4%を占める。Bグレードは築10年以上の物件が半数以上を占める一方、過去10年間に完成した新規供給の78%はAグレードだった。

 新規供給の減速で市場は徐々に均衡に向かい、貸主による過度な値引き競争は落ち着きつつあるという。過去1〜2年に完成したビルの多くが高い入居率を達成し、満室に近づく物件も出ている。これに対し、老朽化したA・Bグレードの既存ビルは設備の陳腐化や長年の賃料上昇でテナント流出が進み、貸主が改修や部分的なリノベーションで競争力維持を図る動きが広がっている。

 2026年下半期から2031年にかけて61万6130平方メートルの新規供給が予定されており、追加の開発計画や再開発案件も見込まれる。スクムビット通り東側、バーンナー・トラート通り、パホンヨーティン通りなど郊外での建設が増えている。中間エリアの地価がオフィス開発に適さなくなっていることが背景にあるもよう。CBDでは地価が高いものの、長期リース地や大型複合開発の一部として新規計画が続いている。

 第2四半期のCBDのAグレード空室率は21.9%と前期の23.3%から改善し、2023年第1四半期以来の低水準となった。新規供給の減少に加え、より新しいビルへの移転や増床需要が続いている。Aグレードの平均賃料は1平方メートルあたり月943バーツで横ばいだったが、貸主は賃料の引き下げではなく、フリーレント、内装補助、柔軟な契約条件などの優遇策で入居を促している。

 同社は、「2026年後半も空室率の高止まりが続く見通し。市場はテナント主導の状況が続き、貸主は多様なリーシング戦略で競争を強いられ、入居企業の交渉力が高まる」とみている。

写真:newsclip

関連記事

トピック

タイの祭り・祝日

  1. 2026-6-27

    東北部チャイヤプーム県に咲くサイアムチューリップ(6月下旬~8月)

     雨期が本格化する6月下旬から8月ごろまで、東北部チャイヤプーム県テープサティット郡パーヒンガー…
  2. 2026-5-29

    6月3日は「タイ王妃生誕日」で祝日

     6月3日(水)はスティダー(Suthida, สุทิดา)王妃の生誕日で祝日となる。5月31日(…
  3. 2026-5-29

    ウィサーカブーチャー(วิสาขบูชา 仏誕節)5、6月(旧暦6月満月の日) 祝日

     祝日。釈迦の誕生、大悟(悟りの開き)、入滅の日。今年は5月31日(日)。6月1日(月)が振替休日で…
ページ上部へ戻る