タイと米国、ART交渉で主要論点合意 301条関税での「公平性を保証」

【タイ・米国】政府は9月4日、米国との相互貿易協定(ART)交渉で協定の主要論点について合意し、米国側が通商法301条に基づく関税を公平で競争可能な水準にする方針を示したと発表した。残る技術的な詳細は両国の実務チームが早期に詰める。

 交渉を担当するスパジー・スタムパン副首相兼商務相は9月1日に米ワシントンでジェイミソン・グリア米国通商代表およびリック・スウィッツァー米国通商代表部(USTR)次席代表と協議し、「ARTの主要論点(core terms / substantive issues)で一致した」ことを明らかにした。米国側は、構造的な過剰生産能力を対象とする通商法301条調査の結果に基づく関税について、タイ産品が不利にならないよう「公平で競争可能な水準」を確保する意向を示したという。

 タイ政府は、関税が不利に働けば受注、生産拠点、雇用、国民所得に影響が及ぶとし、米国市場での競争力維持に向けての協議を重ねてきた。製造業、農業、米国向け輸出のサプライチェーンに属する企業にとっても重要な局面となっていた。

 ARTは米国が貿易不均衡の是正を目的として進める枠組みで、非関税障壁、デジタル貿易、商業機会の拡大など幅広い分野を対象とする。タイ政府は、協定の早期妥結によって米国市場での競争力を維持し、40万人の雇用を守ることが重要だとしていた。

 タイと米国の2025年の貿易総額は3兆バーツ(14兆円相当)超で、タイの対米輸出は2兆3700億バーツ、輸入は7000億バーツだった。タイの貿易黒字は1兆6800億バーツに達する。

写真:タイ首相府

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