タイの中小企業、売上減と資金繰り悪化が深刻化 政府支援の拡充必須

【タイ】タイ英字紙「Nation」がまとめたところによると、中小企業で資金繰りの悪化が進んでいる。売り上げの減少に加え、取引先の支払い遅延が広がり、銀行の融資姿勢も厳しくなっているためで、政府支援の拡充を求める声が強まっている。

 TMBタナチャート銀行の「SMEインサイト2026」では、企業の売上は平均4~5%減少し、運転資金への圧力が高まっている。家計債務の増加や輸入品との競争、原材料・輸送・電力などのコスト上昇が重なり、景気が直近四半期で1.9%成長にとどまる中、回復力が弱まっているという。

 中央銀行(BOT)の統計では、中小企業の不良債権(NPL)比率は9.16%と、商業銀行が抱える全NPLの比率2.85%を大きく上回る。中小企業向け融資残高は15四半期連続で縮小し、2026年第2四半期は5.07%減少した。銀行は新規融資に慎重となり、契約条件の厳格化や担保要求の引き上げが進んでいる。信用リスクが高まった「ステージ2」ローンはSME融資の15.9%を占め、財務の脆弱性が続いている。

 工場・企業の閉鎖も増えているという。国家経済社会開発委員会(NESDC)などの統計では、2026年第1四半期の工場閉鎖は156件で前年同期比11.4%増、新規開設は139件と63.9%減少し、10四半期ぶりに閉鎖が開設を上回った。企業の解散は上半期で7024件、登録資本金は989億バーツと224.1%増加した。

 デジタル化の効果も限定的。調査では中小企業の87%がデジタル技術を導入し、59%がAIを利用しているものの、6割以上が売り上げ横ばいか減少を報告した。多くの企業が資金移動など最低限のデジタル利用にとどまり、生産効率向上や付加価値創出に十分活用できていないことが背景にある。

 国内の中小企業は1360万人以上を雇用し、雇用全体の70%を占める一方、GDPへの寄与は3分の1にとどまるという。NESDCは短期資金支援に加え、生産性向上や技術変化に対応した事業計画が不可欠と指摘し、外国直接投資(FDI)誘致の条件に中小企業との連携や技術移転を組み込むべきだとしている。

Thai SMEs face falling sales, bad debt and tight credit, await state aid

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