【タイ】タイ政府は3月27日の閣議で、多方面から批判を受けて差し戻されたカジノ法案を、再び承認した。下院・上院を通過して国王の承認を得られれば、「複合娯楽施設法案」として施行される。
ジーラユ・フアンサップ政府報道官は、2月28日から3月14日にかけてカジノ法案に関するオンライン公聴会を実施し、回答者7万1300人のうち80%が法案を支持したと述べていた。タイの各メディアはこれまで何度か実施され、そのつど反対意見が大多数だった世論調査の結果と大きな隔たりがあるとし、政府の発表に疑問を投げかけている。ペートーンターン・チナワット首相も閣議後の記者会見で、「これが最終決定ではなく、当然のことながら国会で審議される」と批判をかわした。
今回、「国民が賭博漬けになる」といった反対意見が相次いだことから、タイ国民が入場する際には5000バーツの入場料と5000万バーツ(2億円相当)以上の預金証明を義務付けるという条項が追加された。これにより、ほとんどの国民が対象外となった。また、娯楽施設全体のうちカジノエリアが10%のみ認められるという。