不敬罪でこう留中にハンスト、人権活動家のタイ人女性死亡

【タイ】不敬罪容疑でこう留中にハンガーストライキを決行していた人権活動家のタイ人女性ブン・ネティポンさん(28)が14日、バンコク都内の法務省矯正局病院で心停止状態となり、搬送先のバンコク郊外のタマサート大学病院で死亡が確認された。タイ法務省は調査委員会を設置して死因と死亡するまでの状況を調べるとしている。

 ブンさんは今年1月26日、法廷侮辱罪で禁錮1カ月の有罪判決を受け収監されるとともに、不敬罪容疑の保釈を取り消された。翌日から、司法制度の改革と政治犯の釈放を求めてハンガーストライキを開始し、2月6日、体調の悪化を受け、矯正局病院に収容された。ブンさんは収監後、所有物全てを知人、肉親に譲り渡し、タマサート大学病院に献体する意志を伝えていた。

 ブンさんの死去については、インターネットの交流サイト(SNS)に様々な意見が飛び交っている。民主化推進を求める市民から死を悼む声が上がる一方、14日がタイの 「水牛保全の日」にあたることから、「水牛が水牛の日に死んだ。ふさわしい」などと皮肉るコメントもみられた。不敬罪を支持し民主化推進に反対する王党派の一部は地方出身の民主派を「水牛」と呼んで蔑視している。

 不敬罪はタイ国王夫妻と王位継承者への批判を禁じるもので、違反した場合、1件につき最長15年の禁錮刑が科される。タクシン政権(2001〜2006年)を打倒した2006年の軍事クーデター以降、王党派と民主派の対立が強まり、不敬罪で訴追、投獄される人が急増した。国際人権連盟(FIDH)によると、2021年11月30日〜2023年10月30日に不敬罪で訴追され一審で有罪判決を受けた被告は79人で、最も長い刑期は28年だった。

 昨年5月の議会下院(定数500)選では、これまでタブー視されていた不敬罪の廃止改正を掲げた革新系の新党ガウクライ党(ムーブフォワード党)が151議席(比例代表の得票率36.2%)を獲得して第1党になった。しかしプラユット軍政が議員を選任した非民選で王党派の議会上院(定数250)と下院の旧与党陣営が不敬罪の廃止改正に強く反発し、ガウクライ党による政権樹立を阻止。ガウクライ党と同じ旧野党陣営で141議席(比例代表の得票率27.7%)を獲得したタクシン元首相派のプアタイ党が旧敵である王党派と手を組み、政権を発足させた。タイ憲法裁判所は今年1月、ガウクライ党が不敬罪の廃止改正を選挙公約に掲げたことについて、「国王を元首とする民主政体の転覆を図るもの」で、違憲だとする判断を下し、ガウクライ党は近く憲法裁により解党される見通しとなっている。

 

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