タクシン元首相、故郷チェンマイへ
- 2024/3/14
- タイ政治
【タイ】タイの公共放送タイPBSなどによると、先月仮釈放されたタクシン元首相(74)が14日、生まれ故郷の北部チェンマイ市を訪れ、友人、支持者らの出迎えを受けた。
タクシン氏はバンコクからプライベートジェット機でチェンマイ入りした。次女で最大与党プアタイ党々首のペートーンターン氏(37)らが同行した。
チェンマイ到着後、貯水池の建設現場などを視察し、チェンマイ県知事から説明を受けた。
15日は有名寺院や市場を訪れ、老舗の食堂で昼食をとる予定。その後、市内の墓地で先祖の墓参りをする。16日にバンコクに戻るという。
タクシン氏は昨年8月、15年に及ぶ事実上の国外亡命生活を終え帰国し、裁判所で権力乱用などで禁錮8年を宣告された。健康問題を理由に、刑務所ではなく警察病院に収容され、同月末、恩赦で刑期が1年に短縮された。先月18日、仮釈放された。仮釈放された際には、体調不良をアピールするためか、首にコルセット、右腕にアームスリングを着けていた。チェンマイ到着時は首にコルセットをはめ、マスク、サングラスを着用していた。歩行などに不自由な様子はなく、以前に比べ一回り肥ったようにも見えた。
〈タクシン・チナワット〉1949年、タイ北部チェンマイ生まれの客家系華人。中国名は丘達新。警察士官学校を卒業後、米国に国費留学し、刑法学博士号を取得。帰国後、警察に勤務するかたわら、官公庁へのコンピュータリース、不動産開発などを手がけ、1987年に警察中佐で退職。その後、携帯電話サービス、通信衛星などを展開するタイ通信最大手チン・グループを育て上げた。1998年に政党を設立。地方、貧困層へのばらまき政策を掲げ、2001年の下院総選挙で大勝し首相。2005年の総選挙も圧勝、首相に再選された。王党派との対立が深まり、2006年9月の軍事クーデターで失脚し、2008年から事実上の国外亡命生活に入った。2023年5月の総選挙後、王党派とタクシン派が連立を組むことで合意し、タクシン氏は同8月、15年ぶりに帰国した。