【タイ】ペートーンターン内閣改造の閣僚名簿がワチラーロンコーン国王の承認を経て6月30日に官報に掲載、7月1日に公表された。3日に宣誓式(閣僚認証式)が執り行われる。「発言問題」で一時停職が危ぶまれるペートーンターン・チナワット首相は文化相を兼任、一部メディアからいわゆる「滑り止め」と揶揄(やゆ)されている。新たなポストに就く閣僚は、3日の宣誓式をもって正式な就任となるため、7月1日の閣議には出席できない。
最も注目された内相ポストには、国防相だったプームタム・ウェーチャヤチャイ副首相が就く。プームジャイタイ党の政権離脱によって内相を辞任したアヌティン・チャーンウィーラクーン前副首相兼内相は以前より、内相ポストの「譲り渡し」で最大与党プアタイ党と揉めていた。プームタム副首相の内相兼任後の国防相ポストは、ペートーンターン首相が兼任するという噂もあったが、最終的に空席となった。
ペートーンターン首相は文化相の兼任について、「タイにとってソフトパワーは国家発展の要。自ら導きたいという思い」と説明。滑り止めというメディアの見方を否定した。「発言問題」を巡っては、上院議員36人が憲法裁判所に訴えを提出。受理された場合、ペートーンターン首相は裁判の判決が下るまで一時停職となる可能性があり、7月1日にもその判断が明らかになる。
ほか、主だったところでは、多くの政党を渡り歩いてきたベテラン政治家のスチャート・タンチャルーン氏が首相府相に就く。ピチャイ・ナリッタパン商務相が閣外に退き、ジャトゥポーン・ブルットパット天然資源環境省事務次官が後任となった。スダーワン・ワンスパキットコーソン文化相は高等教育科学研究革新相に、ナルモン・ピンヨーンシンワット農業・協同組合相は教育相にそれぞれ移動する。
・ペートーンターン・チナワット首相兼文化相
・プームタム・ウェーチャヤチャイ副首相兼内相
・デートイット・カオトーン副内相
・スチャート・タンチャルーン首相府相
・スダーワン・ワンスパキットコーソン高等教育科学研究革新相
・アッタコーン・シリラタッヤーコーン農業協同組合相
・ジャトゥポーン・ブルットパット商務相
・チャンタウィット・タンタシット副商務相
・ポンカウィン・ジュンルンルアンキット労相
・ナルモン・ピンヨーンシンワット教育相
・リンティポーン・ワリンナワッチャロート副教育相
・テーワン・リッパタパンロップ副教育相
・アヌチャー・サソムサップ副保健相
・チャイチャナ・デートデーチョー副保健相