バンコクのコンドミニアム供給、今年も過去最低水準へ 購買力低迷で新規投資延期

【タイ】上場不動産大手「スパライ」によると、バンコクのコンドミニアム(分譲マンション)市場は、購買力の弱さ、住宅ローン審査の厳格化、外国人需要の低迷を背景に、今年も新規供給が過去最低水準を更新する見通しだ。「昨年は過去10年で最も少ない供給量だったが、今年はさらに低くなる可能性がある」としている。

 タイ経済は成長を続けているものの、市場心理は依然として脆弱で、景気の不透明感、地政学的リスクの長期化、住宅ローン取得の難しさが消費者心理を冷やしているという。住宅ローンの審査落ちも障害となっており、スパライのローン拒否率は昨年の15%から今年は17%に上昇した。業界平均よりは低いものの、負担は増している。

 同社は「消費者が後払い(BNPL)や支払い遅延の深刻さを過小評価している」と指摘。「銀行はすべてを確認する。小さな遅延でも信用履歴に影響し、住宅ローン取得が難しくなる」と述べている。こうした状況から、開発各社は新規プロジェクトよりも完成在庫の販売を優先している。

 近年は開発各社が土地取得を大幅に減らし、銀行もプロジェクト融資に慎重になっているため、新規供給が抑制されている。多くの金融機関が建設融資の条件として70%の事前販売(プリセール)を求めており、新規開発のハードルが高まっている。環境影響評価(EIA)の申請に入ったマンションは今年2件のみで、例年の12〜14件を大きく下回る。

 ただ、「需要は弱まっているが、供給ほどではない。いずれ新規供給不足が起きる」と分析。スパライは今年も25件、総額320億バーツ(1500億円相当)の新規プロジェクトを予定している。着手が遅れる場合でも、理由は準備作業や建設スケジュールによるもので、市場戦略の変更はないとしている。

●バンコク首都圏の土地価格が停滞 コンドミニアム不振で最大4割の値引き交渉も
●バンコクのオフィス市場、競争激化で貸主が優遇策を拡大
●バンコクでホテル競争激化 第2四半期の客室単価収入7%減

写真:newsclip

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