【タイ】政府は3月10日の閣議で、エネルギー省が提案した政府機関におけるエネルギー使用削減の指針を承認した。世界的なエネルギー価格の変動に備え、国民生活や経済への影響を抑える。
中東情勢をはじめとする地政学的緊張の高まりにより、主要な産油地域や輸送ルートを巡る不安が続き、原油やエネルギー価格が不安定な状況にある。政府はこうした動きを踏まえ、国内のエネルギー管理を重視。エネルギー省が状況を常時監視するため「エナジーICSセンター」を設置し、供給に支障が生じた場合の対応策を準備している。
官庁では今後、空調の設定温度を26~27度程度とする。フォーマルな行事以外ではスーツやネクタイの着用を避けて半袖を着用するなど軽装勤務を認め、不要な照明や電気機器の使用を控える。パソコンは省電力設定を活用し、使用しない場合は電源を切る。近距離の移動は階段利用を促し、紙やコピー機の使用削減、電子システムの活用を進める。会議はオンライン形式を多用し、業務内容に応じて在宅勤務も取り入れる。
燃料使用の削減策としては、車両の定期点検の実施や適正速度での運転、相乗りの推進、移動計画の見直し、広報局に対してのテレビ局、ラジオ局、交流サイトと連携して省エネ啓発の推進をそれぞれ指示した。情勢がさらに悪化した場合には、夜間の広告用照明の使用制限や、原則午後10時までとする給油所の営業時間短縮など、追加の強制措置も検討する。
3月5日時点の国内備蓄量は80億5500万リットル。タイ国内の石油製品の1日当たりの平均消費量が1億2400万リットルで、政府は「石油や電力の使用をそれぞれ5%削減できれば、石油は月33万リットル、電力は3100万キロワット/時の節約につながる」としている。これらの対策を通じ、エネルギーの効率的な利用を促し、長期的なエネルギー安全保障の強化を図る。
























