【タイ】タイ陸軍第2軍管区の7月25日午後4時の発表によると、ブリーラム、スリン、シーサケート、ウボン・ラーチャターニーの東北部各県のカンボジア国境地帯での衝突が続いている。ほとんどは山岳部での戦闘とみられる。
カンボジア軍からは、5月28日に最初の銃撃戦が発生したウボン県チョンボック一帯や、クメール遺跡のプラサート・タームアン・トムや国境線上のプラサート・タークワーイがあるスリン県パノム・ドンラック郡などへの攻撃が続いており、国境未画定でタイが実効支配する地域を奪取する作戦と思われる。第2軍管区は、全ての地域で前進を阻止し、応戦によって甚大な被害を与えたと発表した。
ユネスコの世界遺産に認定されたヒンズー寺院、プレアビヒア(タイ語名ワット・カオプラウィハーン近くのプーピー展望台一帯(タイ側シーサケート県カンタララック郡)では、タイ軍の応戦でカンボジア兵およそ100人が死亡したと報告されている。
BM-21グラート(旧ソ連製122mm自走多連装ロケット砲)による町村への攻撃も続いており、複数の民家が損壊した。ただ、住民のほとんどは避難済みで、民間人の被害は出ていないもよう。
第2軍管区は国民に対し、事実の歪曲、混乱、パニックの誘発、不正確な情報の伝達を防ぐため、軍の人員、装備、作戦経路、部隊動向に関する写真や動画の撮影、情報の公開や共有を控えるよう訴えた。また、カンボジアからの情報を含め、SNSでさまざまなフェイクニュースが拡散されているため、信ぴょう性を慎重に判断するよう呼び掛けている。
シーサケート県カンタララック郡でBM-21グラートの砲撃を受けた民家
写真:タイ陸軍第2軍管区フェイスブックより กองทัพภาคที่ 2