【タイ】タイ警察消費者保護課が8月21日、未承認の中絶薬をネットで販売していたグループのタイ北部チェンマイ県とラムプーン県の拠点3カ所を捜索、タイ人の男女7人を逮捕した。押収した薬品や関連機器は3138点に上り、100万バーツ(450万円相当)を超える。
同ネットで販売されていた中絶薬を購入・服用したタイ人女性が、子宮破裂や過強収縮による大量出血でショック状態に陥り、緊急搬送されたことで発覚した。逮捕された7人は、名義貸しの銀行口座や配送会社の倉庫利用などでたくみに身元を隠して追跡を困難にさせていたが、警察は配送経路を地道にたどって拠点を割り出した。
ネットには、「女性医師による相談サービスあり」と表示し、利用者を安心させていたという。警察は、「中絶薬をインターネットで購入し、医師の管理なしに使用することは極めて危険であり、絶対に避けるべきだ」と警鐘を鳴らしている。
タイでは2021年の法改正で、一定の条件下での妊娠中絶が合法化された。妊娠12週以内は女性の意思に基づき、12週以上は健康への重大な影響、性犯罪による妊娠、胎児の重度障害などが認められた場合、中絶が認められる。いずれの場合も、医師の診断と適切な医療管理が必要。
写真:POLICE News Varieties