【タイ】政府は、家庭向け太陽光発電設備「ソーラー・プラチャーチョン(国民ソーラー)」の導入促進策を拡充し、導入枠を当初案の5000メガワット(MW)から1万MWへ倍増する。100万世帯規模の参加を見込み、家庭でのクリーンエネルギー利用拡大を目指す。
国家エネルギー政策委員会(NEPC)は9月18日の会合で、余剰電力の買い取り制度拡充を承認した。家庭で発電した電力をまず自家消費し、余った電力を電力系統に売電する「ネットビリング方式」を採用する。売電価格は1キロワット時当たり2.20バーツで、契約期間は従来の10年から20年へ延長する。買い取り対象となる余剰電力の上限は電力メーター1基当たり5キロワットとし、対象期間は2026~2028年とする。
これまで主に屋根上への設置を想定していた対象設備について、家庭向けに地上設置型や水上設置型も認める。屋根の面積に制約がある世帯でも参加しやすくする狙いがある。設備容量自体は5キロワットを超えて設置できるが、余剰電力の買い取りは引き続きメーター1基当たり5キロワットまでに制限される。
同委員会は、エネルギー省、内務省、タイ発電公社(EGAT)、首都圏電力公社(MEA)、地方電力公社(PEA)に対し、送配電網の受け入れ能力向上に向けた計画を1カ月以内に策定するよう求めた。計画には発電量予測、リアルタイム監視、送配電システムの制御、蓄電池によるエネルギー貯蔵の4分野を盛り込む。
MEAとPEAにはさらに、スマートメーターのデータをEGATと連携させ、電圧や周波数の管理、系統変動への対応を強化するよう求めた。送電線、配電網、スマートグリッド、蓄電システムの整備状況も地域ごとに評価した上で、投資計画と財源のあり方を検討する。
既存制度の参加者については、10年間の売電契約を締結済みの世帯が不利益を受けないよう、関係機関が統一的で公平な対応策を策定する。契約を解約して再申請する必要が生じないよう、既存契約の見直しも検討する。
また、工業省に対して使用済み太陽光パネルや蓄電池のリサイクル計画の策定を要請。投資委員会(BOI)や関税局と連携し、関連部品の輸入税制上の課題解消や国内生産の促進、設置・保守人材の育成も進める。
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