【タイ】国家エネルギー政策委員会(NEPC)は4月29日、家庭の電気代を引き下げる新たな料金体系と、住宅用太陽光パネル(ソーラールーフトップ)の普及を促す包括的な制度改革を承認した。エーカナット・プロームパン・エネルギー相がNEPCとの会議後に明らかにした。
住宅用太陽光パネルがこれまで普及しなかった背景には、余剰電力を電力網に売電できる枠が全国でわずか90メガワットに限られ、設備投資の回収が難しかったことがある。新制度では、売電枠を1回あたり500メガワットに拡大し、枠が埋まるたびに追加で500メガワットを上乗せする仕組みとし、事実上の上限を撤廃する。
家庭が売電できる価格は1キロワット時あたり2.20バーツで、商業用太陽光発電所に近い水準とされる。売電契約期間は10年間で、申請受付は6月以降に始まる見通し。申請手続きは首都電力公社(MEA)または地方電力公社(PEA)がワンストップサービスで受け付け、自己消費のみの設置は7日以内、売電を伴う場合は30日以内に処理する。
エネルギー省と財務省は、太陽光パネルを分割払いで導入できる金融支援策も検討しており、月々の支払い額が従来の電気代を下回る水準を目指す。また、初期投資が難しい家庭向けに、電力公社が無償で太陽光設備を設置し、発電した電力を1キロワット時3バーツ以下の割安で家庭に販売するモデルの検討も指示された。
一方、家庭向けの料金体系も見直され、月200キロワット時までを3バーツ未満に抑える段階制が導入される。現在(5〜8月期)の電気代は3.95バーツで、月500キロワット時(約2200バーツ)までの利用者も負担が軽減される見通し。政府は全体の9割超にあたる2100万世帯で電気代が下がると見込んでいる。
今回の電気代見直しは家庭部門の中で完結し、産業部門への負担転嫁は行わない方針。エーカナット・エネルギー相は「今後4年間、生活実態に合わせて段階的に実施し、国民にとって公平な制度とする」と述べた。
























