【タイ】財務省は、政府の財政負担を抑えつつ民間資金を活用する官民連携(PPP)事業を加速している。今後3年間で総投資額は1300億バーツ(6500億円相当)を超える見通し。
主に交通インフラ分野での事業が増えており、バンコク都市鉄道や高速道路などの整備が中心となる。さらに、社会インフラ分野への拡大も進められており、タマサート大学病院の陽子線治療センター建設計画などが検討されている。同施設は脳腫瘍治療用の陽子線照射を行うもので、投資額はおよそ20億バーツ。収益性は高くないが、タイ初の社会的PPPモデルとして位置づけられている。
財務省国営企業政策庁(SEPO)によると、PPP委員会に提出された140件の案件のうち20件が承認済みで、総投資額は3000億バーツに達する。今年200億バーツ、来年400億バーツ、2028年730億バーツの投資が予定されている。
エークニティ・ニティタンプラパート副首相兼財務相は、政府の財政余力が限られる中、民間資金を活用して公共投資を補完する考えを示している。SEPOに、政府の「最高財務責任者(CFO)」として各省のPPP事業を監視し、進捗や課題を把握するよう指示した。
PPP事業は政府債務を直接増やさない仕組みであり、公的債務の増加抑制にも寄与するという。地方行政でも導入が進み、上下水道や電力供給などのインフラ整備にPPP方式を採用する動きが広がっている。
現行規定では、地方のPPP事業で投資額が5億バーツを超える場合、PPP委員会の承認が必要となる。事業は商業的に成立することが条件で、民間投資を呼び込むには利回り8~9%では投資意欲を引き出すには不十分で、10%以上が望ましいとされる。
SEPOは各省庁に対し、既存のコンセッション契約が満了する5年前までに新規PPP提案を提出するよう求めている。実際には契約期限が近づいてから提案する例が多いが、早期提出によって政策変更や技術進歩に伴う情報の陳腐化を防いでいく。


























