【タイ】商務省国内通商局(DIT)がタイのメディアに語ったところによると、タイ産ドリアンの輸出が収穫期を前に農業労働者の不足や集荷拠点の不足といった問題に直面し、国内外で今後いくつかの障害が生じる見通しだ。カンボジア人の熟練労働者の減少や輸出市場でのベトナムの台頭などに対し、早急な対応が求められている。
今年のドリアン生産量は178万トンに達する見込みで、うち東部地域が106万トンと全体の6割を占める。4月に始まる収穫期に天候の大きな影響がなければ、生産量は前年を1割程度上回るとみている。一方、ベトナムのドリアン生産量は今年200万トンに達する見通しだという。
課題として挙げられるのが、農作業員や選果・梱包作業員の不足。国境紛争の煽りを受けて熟練したカンボジア人労働者が減少する中、ミャンマーからの労働者が流入しているが、作業に必要な技能を身につけるための訓練が欠かせない。中国向け輸出では、染料「ベーシックイエロー2」やカドミウムなどの化学物質残留に対する現地当局の検査が厳しく、輸出の障壁となっている。DITは中国側と連携し、汚染の原因究明と検査対応を進めている。
供給時期については、東部地域が3月から6月にかけてピークを迎え、南部や他地域は6月から8月にかけて出荷が本格化する見込み。6月に東部と南部の出荷時期が重なる可能性がある。この時期、仲介役となる集荷センターが不足し、南部産ドリアンの受け入れに支障が出る恐れがあるという。さらに、収穫最盛期には輸送用コンテナの不足も懸念材料となっている。
中国向け主要輸出ルートは2本あるという。1本は東北部国境からラオスおよびベトナムを経て中国広西チワン族自治区に入るルート。もう1本は北部国境からラオスまたはミャンマーを通り、中国雲南省に至るルートで、大メコン圏(GMS)南北経済回廊のR3Aルートを利用する。DITは、北部チェンラーイ県チェンコーン郡からラオスのボーテンを経由し、雲南省の昆明に至るR3Aルートの活用を促進する必要があるとしている。中国の西部や中部への輸出拡大、四川省の成都を物流拠点とする展開も視野に入れている。距離が短い分、ベトナム経由より物流面で有利になる可能性がある。
中国以外では、インド市場の開拓に向けたインド人旅行者へのタイ産ドリアンの認知向上を図る。中東諸国でも、冷蔵・冷凍ドリアンの試験販売を行ったところ好意的な反応が得られたことから、需要拡大が期待されているという。
国内消費の底上げに向けては、地元タイ人ほかインド、ロシア、韓国などからの旅行者を対象に、小売店と連携した販促や試食イベントを計画。移動販売車なども活用し、地方の小規模集落でドリアンを含む農産物の販売を進め、地域消費の喚起を図る方針だという。
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