【タイほか】中国税関当局がラオスからの生鮮ドリアンの輸入を認可し、ドリアン市場をめぐる競争が激しさを増す中、タイやベトナムにとって新たな競合国が加わることとなった。中国のドリアン輸入の過半数はタイからだが、今後その地位が危うくなる可能性もあるという。
中国税関総署が植物検疫基準を満たすことを条件に、ラオス産生鮮ドリアンの輸入を認めたと発表した。ラオスは、中国との親密なつながり、安い労働力と地価、利便性の高い交通網などを武器に、中国市場で存在感を高める可能性がある。ラオスの首都ビエンチャンと中国雲南省昆明は鉄道で結ばれており、物流面の優位性が高い。マレーシアのドリアン生産者育成機関であるDurianBB Academyは、「最も重要なのは物流、その次に労働力」としている。
タイ国内の報道によると、ラオス産ドリアンの味は気候的条件から、タイ産やベトナム産と大きな違いはない。中国ではドリアンの需要が非常に高く、結婚式などの正式な場での贈答品として重宝されることも多い。タイからの輸出は9割以上が中国向けで、重さ6キロのドリアンが1つ200元で取引されることもあるという。
中国税関の統計によると、昨年のドリアン輸入額は過去最高の69億9000万米ドルに達した。タイ産が57%を占めて首位、次いでベトナムが38%となっている。カンボジア、マレーシア、フィリピンは比較的小規模な輸出にとどまっているもよう。
ラオスは2024年から、ドリアン輸出で中国市場参入を目指してきたが、相応の知識および経験の蓄積が必要であり、これまで実現できていなかった。ラオス国内のドリアン栽培面積は現在2万ヘクタールで、すでに1万本が結実。2029年までに27万本から2万4300トンの収穫を目指しており、中国市場での競争は今後さらに激化すると見込まれる。



















