【タイ】タイの各メディアが、「中国人旅行者の人気旅行先はタイではなく日本」という記事を掲載している。多くは「日経アジア」の記事を引用しており、英字紙ネーションは「タイは王冠を失った」、タイ字紙ザ・スタンダードは「(中国人旅行者は)タイを無視した」と表現している。
タイ観光スポーツ省がまとめた2024年通年の中国からの入国者数は、同91%増の673万3162人。一方の中国からの訪日は、日本政府観光局(JNTO)がまとめた数字で、前年比88%増の698万1200人だった。
今年の旧正月(中国正月、春節)に伴う大型連休に関しても、「ミャンマー国境の犯罪拠点問題で、タイは旧正月という肝心なときに、中国人旅行者を減らした」と自己評価。一方で「日本は長らく円安が続いてお得感があり、実際に航空券も高くない」と分析している。
タイの各メディアは、中国最大手オンライン旅行会社「トリップドットコム」による「中国人の海外旅行は前年比30%増」、中国民用航空局による「春節連休内に中国本土から出発した国際便は前年同期比25%増の1日平均1888便」といった統計結果を紹介。また、「中国東方航空の日本線が54%増加」と報じている。
ソーラウォン観光スポーツ相は2024年年末に、観光業において「本来の魅力に円安効果が相乗した日本が競合」と話しており、実際に数字となって現れた。ただ中国人旅行者に関しては、新年早々にタイ・ミャンマー国境の問題でつまずいたものの、今年はタイ中国交樹立50周年であることからタイ政府は今後さらに誘致に力を入れていくものと思われる。