【タイ・日本】タイ保健省は2月12日、タイ国営空港運営会社エアポーツ・オブ・タイランド(AOT)が要請していた国内6空港の喫煙スペース再開の要請を却下した。タイの現行法に違反し、空港施設の環境維持にも旅行者増にも貢献しないと説明した。
AOTが求めていたのは、スワンナプーム空港、ドーンムアン空港、チェンマイ空港、チェンラーイ空港、プーケット空港、ハジャイ空港の6港の喫煙ルームの再開。タイの空港は旅客ターミナル内部が全面的に禁煙となっているため、がまんできない喫煙者によるトイレや目立たない場所での喫煙が横行し、火災報知器の誤作動を引き起こしたり、非喫煙者に迷惑をかけたり、航空機内での喫煙を促していると報告していた。
これを受けてタイ保健省傘下の国家タバコ規制委員会がタスクフォースを結成して再開を検討してきたが、最終的に「タイ現行法に違反し、空港の環境維持に支障をきたし、世界100港以上の空港でも全面禁煙であってタイは同様の方向性で国際社会をリードすべきであり、タバコが吸えるからといって旅行者が増えるわけでもない」とし、却下の判断を下した。
タイの各空港は2019年、タバコ製品管理法に基づいて屋内の喫煙スペースを閉鎖したが、空港によっては「非公式」な喫煙スペースを再開しているのが現状。また、出入り口の外側やテラスといった屋外とみなされる箇所には、正式な喫煙スペースが設けられている。
タイでは「世界的な方向性といっても、日本やシンガポールの空港には喫煙スペースが設けられている」という意見が挙がっている。