【タイ】タイジャーナリスト協会(TJA)は6月11日、ペートーンターン・チナワット首相および首相府の広報担当者に対して「警告」を発した。ペートーンターン首相への取材で、報道の自由を抑圧するような政府の言動を批判している。
ことの起こりは、6月6日に開かれた国家安全保障会議(NSC)終了後の、記者団によるペートーンターン首相への取材。カンボジア国境問題に関する一記者からの質問に首相が不満をあらわにし、数日後に首相府が運営するSNSに記者の顔写真が掲載されたというもの。
TJAは、「政府の人間が記者の顔写真をSNSで『晒す』行為はハラスメントに相当する」と批判。タイ人記者が首相支持者からの根拠のない誹謗中傷を受けているとした。「民主主義国家において、国家指導者に対する報道陣の質問を政府が逐一撮影することなどあり得ない。言論統制の予兆がみられる」と断言し、改善要望ではなく「警告」と表現で「関係者はそれが脅迫行為であることを自覚すべき」と求めた。