タイ中銀が若年層口座の送金上限、名義貸し口座70%増で対策強化

【タイ】タイ中央銀行(BOT)は、子どもや若者名義の銀行口座が犯罪組織に悪用される事例が急増しているとし、18歳未満の口座に対し年齢に応じて1日あたり3000〜1万バーツのデジタル取引上限を導入する。名義貸し口座(ミュール口座)が2025年1月から2026年3月にかけて70%増加したため。

 新たな上限は、預金口座のモバイルバンキング取引と電子マネー口座に適用され、年齢と口座種別に応じて設定される。銀行は9月までに、電子マネー事業者は10月までに導入を完了しなければならない。本人または保護者は、必要に応じて上限引き上げを申請できる。

 中銀は捜査当局の協力を得てデータを分析し、犯罪グループが子どもや若者の口座を利用するケースが増えていると判断した。若年層名義で犯罪利用が確認されたケースは、2025年1月の3371件から2026年3月の5741件へと70%増加した。一部の若者は、犯罪利用を知らされないまま口座開設を依頼されたり、他人に口座を使わせたりしていた。これまで、オンライン詐欺などで総額1億8500万バーツ(9億円相当)超の損失が確認されている。

 今回の規制は、中銀、タイ銀行協会、電子マネー事業者が共同で策定したもので、年齢層ごとの利用実態に基づき、犯罪リスクを抑えつつ通常の取引に過度な支障が出ないよう設計されている。年齢別の1日あたり取引上限は、■10〜12歳未満:電子マネー取引のみ3000バーツ、■12〜15歳未満:電子マネーおよびモバイルバンキングで5000バーツ、■15〜18歳未満:同1万バーツ。10歳未満、同一アプリ内の自分名義の口座間で行う低リスクの取引は、いずれも対象外となる。中銀は、「97%以上の若年層利用者は影響を受けない」としている。

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