タイへのデータセンター投資、最大の障害は電力不足か

【タイ】タイのメディアが不動産コンサルティング会社「Savills Thailand」の分析として伝えるところによると、タイへのデータセンター投資を検討する海外企業の最大の課題は、地価ではなく電力や水道などのインフラ不足とされる。投資家の中には最大500メガワットの供給を求めるケースもあるという。

 同社への海外からの問い合わせは堅調だが、需要の中心は大規模インフラを必要とするハイパースケール事業者が占める。問い合わせはシンガポール、中国、香港、米国、欧州などから寄せられ、インドネシアなどの競合市場と比較しながらタイを評価しているという。中国企業の一部は単独での開発を模索しており、東部経済回廊(EEC)、サムット・プラーカーン県、中部アユッタヤー(アユタヤ)県、同サラブリー県などで候補地を探している。

 土地価格は依然として検討要素だが、投資家は取得費用よりも安定した電力、水道、通信インフラへのアクセスを優先している。「地価にはそれほど敏感ではない。むしろ価格が低すぎる場合、何らかの問題が隠れていると疑うこともある」という。投資家の多くは50〜100ライ(1ライ=1600平方メートル)規模の土地を求めており、2方向のアクセス道路、電力・水道・光ファイバー網への近接性を重視している。

 最大の課題は電力で、投資家の中には最大500メガワットの供給を求めるケースもあり、多くの地域で現状の供給能力を大きく上回っている。電力割当の順番待ちを強いられ、150メガワット規模の案件は各地域の送電網容量の制約から承認枠が限られている。

 データセンター開発は通信遅延を抑えるため都市部近郊が選ばれがちだが、住宅地から離れた場所の方が電力の制約は少ないともいえる。洪水リスクも用地選定の重要な判断材料で、投資家は取得前に詳細な調査を行う。アユタヤは洪水対策が進んでいるものの、一部地域が遊水地に指定されているため懸念が残る。

 EEC内のチャチュンサオ県は電力・水道の供給に制約があり、チョンブリー県の一部も同様の課題を抱える。それでもEEC、特にチョンブリー県とラヨーン県は産業インフラが整備されていることから最も強い関心を集めている。工業団地は光ファイバー網を備えているため、ハイパースケール事業者にとって優位性がある。

 長期の土地賃貸への関心も高まっているが、立地の良い土地を賃貸に出すことをためらう地主も多い。バンコクでは高層型データセンターの計画が増えている一方、ハイパースケール施設は引き続き都外での開発が見込まれる。

 Savills Thailandは現在、10件ほどの問い合わせを受けており、4〜5件が初期調査を終えて具体的な協議に進んでいる。これらの多くはシンガポールに本社を置き、中国や欧州で事業を展開する投資家で、2026年後半にいくつかの取引が成立する可能性があるという。

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