【タイ】政府は観光産業を持続的な経済成長の牽引役と位置付け、年間で観光収益4兆バーツ(19兆円相当)超の達成と、「旅行・観光開発指数(TTDI:Travel & Tourism Development Index)」で世界30位以内へのランクインを目指す方針を示した。
国家観光政策委員会はこのほど、2028~2032年を対象とする第4次国家観光開発計画の策定方針を協議。観光による経済効果の拡大、観光商品・サービスの高付加価値化、高所得層旅行者市場の開拓、中小事業者や地域社会への所得分配拡大を重点目標に掲げるとした。
新計画では、観光商品やサービスの国際水準への引き上げとともに、インフラ整備を推進する。特に高い収益が見込めるクルーズ船観光やヨット観光の振興を重視しており、クルーズ船ターミナルやヨットマリーナの整備を進める。
先の「2026年世界銀行・国際通貨基金(IMF)年次総会」の開催成果を観光振興につなげる方針も確認。観光スポーツ省、タイ政府観光庁(TAT)、民間部門が連携し、タイの特色や魅力を発信する観光活動を展開するほか、中部アユタヤ県などバンコク近郊との周遊ルート整備も進める。
市場別では、近距離市場として台湾、ベトナム、マレーシア、インドネシア、シンガポールを重点対象とする。長距離市場では、大型イベントの開催、旅行代理店との連携強化、航空会社との協力拡大を通じて通年での訪タイ需要拡大を目指す。
さらに、各県の観光地、祭り、文化行事、地域イベントを網羅した年間観光カレンダーを作成し、多言語で情報発信する計画も議論。旅行者・観光客の周遊促進に加え、東部を中心とした農業観光や季節のフルーツ観光も推進し、農家、中小事業者、地域社会の収入向上につなげる。
外国人入国者の利便性向上策としては、メキシコ、コロンビア、ウズベキスタン、ベラルーシの4カ国を対象とするビザ免除措置の導入案を検討しているという。TATは11月9日にも関係委員会に提案する予定で、外務省もEビザ(電子査証)の手続き効率化を進めている。ほか、スワンナプーム空港の入国審査の効率化、観光・文化行政の組織再編に向けた法整備、外国人旅行者を対象とする観光税の導入案についても協議した。
TTDIは、世界経済フォーラム(WEF)による観光政策、インフラ、交通網、文化資源などを含めた観光産業全体の競争力評価。TTDI 2026の上位10カ国は、日本、米国、スペイン、オーストラリア、フランス、ドイツ、英国、中国、スイス、イタリア。


























