【タイ・カンボジア】タイ政府やタイ陸軍第2軍管区などの発表によると7月25日朝現在、前日に始まったカンボジア軍によるタイ領土への砲撃で、タイ住民10万人以上が安全な地域に避難した。死者はこれまでに14人が確認された。
戦闘地域は東北部ブリーラム、スリン、シーサケート、ウボン・ラーチャターニーの4県の国境沿いで、内務省によるとそれぞれの県で避難民が発生、10万人以上がおよそ300カ所の仮設避難所に移動した。保健省の発表では、死者数はタイ軍兵士1人、民間人13人の14人。一方、カンボジア国内では民間人1人が死亡、少なくとも5人がけがをしたもよう。
タイとカンボジアを隔てる国境線は未確定地域が複数あり、武力衝突や小競り合いは以前から発生している。2008年から2011年にかけても双方の軍が兵力を集結させた衝突を起こしており、このときも少なくとも28人が死亡、数万人が避難を余儀なくされた。
タイとカンボジアは今年、両国国交樹立75周年を迎え、ペートーンターン・チナワット首相が4月にカンボジアを訪れ、フン・マネット首相、フン・セン元首相と会談したばかり。両国の関係はその後、国境問題やフン・セン元首相によるペートーンターン首相への個人攻撃などで、急速に悪化した。
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スリン県カープチュン郡で砲撃の破片を受けた少女
写真:スリン県住民コミュニティのフェイスブック ชุมชนคนสุรินทร์