炭疽菌感染で男性死亡、タイで30年ぶり 東北部ムクダーハーンで600人超の感染疑い

【タイ】東北部ムクダーハーン県の保健当局が5月2日、県内在住の男性(53)が4月30日に炭疽(たんそ)菌に感染して死亡したことを明らかにし、公衆衛生警報を発令した。感染源の同県ドーンターン郡で600人超が感染している疑いがあるという。

 タイでの炭疽菌感染による死亡例は、1994年の3人以来、31年ぶり。2000年に15人、2017年に2人の感染例が報告されたが、いずれも死亡には至らなかった。

 ムクダーハーンで死亡した男性は、皮膚に発疹などの症状が現れていたという。知人男性も感染が認められ入院中だが健康状態は良好で、深刻な合併症がなければ約2週間で完治する見込み。炭疽菌の感染は、皮膚に「炭疽痂皮(かひ)」という黒い潰瘍(かいよう)ができることが知られている。

 ドーンターン郡では昨年、数十件の炭疽菌感染例が報告されており、疾病管理地域に指定された。現在、638人が同一の感染源に接触していたことが確認させており、その多くが感染している疑いがあるという。感染源は屠畜(とちく)および加熱不十分な牛肉の摂取。人から人への感染はないという。

 今後、農業協同組合省畜産局が感染源の半径5キロメートル以内の1200頭のウシにワクチン接種を行う。また、感染者には抗生物質のドキシサイクリンが処方されるという。

 ムクダーハーン県および近隣のアムナート・チャルーン県、カーラシン県、ナコーン・パノム県では現在、保健当局が県民に生の牛肉を食べないよう、注意を促している。

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