【タイ】深南部ヤラー県ヤラー市の国鉄駅前で3月5日午後7時半前、手製と思われる爆発物が道路に投げ込まれ、通行人6人がけがをした。マレー系分離独立派組織の犯行と思われる。イスラム教徒の断食月であるラマダンが3月1日に始まり、世界各国でラマダンに合わせたテロの発生が警戒されている最中の事件発生となった。
タクシン・チナワット元首相が2月下旬に深南部を訪問。タクシン政権だったころの対イスラム政策が失敗だったことを認めて謝罪、「ラマダンが始まるがテロは止めてほしい」と訴えたが、聞き入れられなかった格好となった。
ヤラーで5日に起きた爆破事件では、若者2人が手製と思われるパイプ爆弾のようなものを2つ投げ込む姿が防犯カメラに映っていた。爆発物の1つが信号待ちのトラックに当たって爆発、トラックと通りがかったバイクに損傷を与えた。バイクに乗っていた通行人を含めた6人がその場でけがをした。
同日夜は隣県パッターニー(パタニー)県のパナーレ郡とサーイブリー郡でも、マレー系分離独立派組織による放火事件が起きている。
タイ深南部と呼ばれるパッターニー、ヤラー、ナラーティワートの3県と隣接するソンクラー県3郡では以前より、分離独立を大義名分とするテロが続いている。マレーシア国境という土地柄、マレー系のムスリムが住民のほとんどを占めるため、一連のテロも「イスラムテロ」と報道されるが、イスラム的な時間感覚でテロが行われるものの宗教的な争いはない。本質は単純な利権争いと見られる。
写真:YalaToDay ยะลาทูเดย์ フェイスブックより