【タイ】タイ法務省特捜局(DSI)が11月25日午後、北部チェンライ県チェンライ市でサマート・ジェンチャイジットワニッチ元パラン・プラチャーラット党副報道官(41)を逮捕した。ジ・アイコン・グループ(The iCon Group)による投資詐欺で、資金洗浄を請け負った容疑がかけられている。
サマート容疑者は、ジ・アイコン・グループから母親の銀行口座を通して定期的に現金を受け取っていた。合計1億バーツ(4億4000万円相当)に達すると見られる。サマート容疑者と同じく25日の朝に逮捕された母親も、自分の口座に現金が振り込まれていたことを認めている。また、すでに逮捕されているジ・アイコン・グループのワラットポン・ワラットウォーラクン社長の供述にも一致した。振込元はさまざまだったという。同容疑に関しては、金銭を受け取る代わりにクレーム処理を引き受けるといった主旨の、サマート容疑者とワラットポン容疑者との会話の映像が見つかっていた。
刑事裁判所による逮捕状の発行は前日の24日で、DSIが25日朝にバンコク都内のサマート容疑者の自宅に向かったときには母親しかおらず、サマート容疑者はチェンライに飛んでいた。DSIは今後、逃亡だった可能性についても調べるとしている。
ジ・アイコン・グループの事件は、個人レベルの購入者を「代理店」と命名して健康食品や美容食品を大々的に販売し、約束していた支援を行わずにいたという投資詐欺と、行き詰まった代理店に友人や知人を勧誘させるというマルチ商法などの容疑がかかっている。サマート容疑者はそもそも、ネズミ講被害者の救援者として知られており、支援団体の会長を務め、関連本3冊を出版していたという。