【タイ】タイで健康食品や美容食品をオンライン販売する「ジ・アイコン・グループ(The iCon Group)」が投資詐欺で疑いの目を向けられている。同社は商品販売でタイの有名タレントを広告に起用、芸能界を巻き込んだ大きな騒ぎに発展している。
販売ネットワークビジネスを手掛ける同社は、個人レベルの購入者を「代理店」と命名して数年前から健康食品や美容食品を大々的に販売したものの、約束した支援を行わず買わせたきりにしていた。購入者は商品が高価であることや競争相手が多いことなどから上手く売ることができなかった。宣伝するにも広告料がかかり、賞味期限が近ついても商品交換などの対応を受けられないといった問題も起きて、不良在庫を抱えることになった。売り上げを確保するにはマルチ商法のように友人や知人を勧誘する手段しかなくなり、投資詐欺として警察に被害届を出したりテレビ番組に出演して訴えたりするなど、最近になって騒ぎが一気に広がった。
同社は商品の販促に当たって複数の有名タレントを起用、中でも(タイでそれぞれトップクラスの)MCとして知られるガーン・ガンタタウォーンさん、俳優(女優)のミン・ピチャヤーさん、長く俳優を続けるサム・ユラナンさんらはアンバサダーに任命されており、マルチ商法自体に関わっているのではないかと疑われている。本人らは広告契約以外の関与についてはきっぱり否定している。
タイメディア各社の報道によると被害総額は2億5000万~3億バーツ(11億~13億円)規模で、同社の資産凍結の可能性もあるとされる。警察も本格的な捜査に乗り出しており、今後も訴えは増える見込みで、タイの芸能界を巻き込んだ騒ぎは今後もまだ続きそうだ。