タイ王室改革求める演説で不敬罪 弁護士男性に禁錮4年
- 2023/9/27
- タイ政治
【タイ】タイの公共放送タイPBSなどによると、弁護士のタイ人男性アーノンさん(39)が2020年にバンコクで行われた民主派の集会で王室改革を求める演説を行い、不敬罪に問われた裁判で、タイ刑事裁判所は26日、アーノンさんに禁錮4年の実刑判決を言い渡した。アーノンさんは控訴する方針。
アーノンさんは公の場で初めて王室改革や不敬罪の廃止に言及し、民主派が王室改革や不敬罪について公然と主張する流れを作った。タイ憲法裁判所は2021年、アーノンさんら3人が「国王を元首とする民主政体の転覆を図った」と認定。この判決により、王室改革を求める活動はすべて、国家転覆を図る重罪となる可能性が強まった。アーノンさんは今回以外に、13件の不敬罪違反で訴追されている。
不敬罪はタイ国王夫妻と王位継承者への批判を禁じるもので、違反した場合、1件につき最長15年の禁錮刑が科される。今年5月の議会下院(定数500)総選挙では、不敬罪の改正廃止を訴えるガウクライ党(ムーブフォワード党)が151議席(比例代表の得票率36.2%)を獲得して第1党になったが、プラユット軍事政権(2014~2019年)が議員を選任した非民選で王党派の議会上院(定数250)が不敬罪廃止に強く反発し、ガウクライ党は野党となることを余儀なくされた。