女性の役割強化へ タイ政府が政策方針を発表

【タイ】アヌティン・チャーンウィーラクーン首相は6月22日、バンコク北郊ノンタブリー県で開催された女性の社会参加を促進する「W-Unity:女性の力をつなぎ、未来を創る」プロジェクトの開会式にタナノン・ニラーミット夫人と出席し、女性の役割強化に関する政府方針を示した。「女性の役割を高めることは、持続可能な国家発展の基盤である」と述べ、政府方針として三つの重点分野を示した。

 人口の半数を占める女性、とりわけ働く女性は「国家発展の重要な担い手」であると評価し、■女性は出産後、キャリアの中断を心配せずに働き続けられるか、■女性は自らが暮らす街で安全に移動し、生活し続けられるか、■女性は家庭内暴力に直面した際、国家の保護を十分に受けられるか、と問いかけた。「これらに十分な答えが出せないなら、女性の可能性を阻む障壁が残っているということ。それは国家の成長機会を狭めることにもつながる」と述べ、女性政策は「女性だけの問題ではなく、タイの未来そのものだ」と強調した。

 政府が重視する3つの分野として、1)妊娠・出産・育児に関する権利の保障、2)多様な人々に配慮した都市づくり、3)家庭内暴力の防止と救済――を提示。「1」に関しては、子どもは将来の国を支える存在であり、社会全体で負担を軽減する必要があるとし、タイではすでに父親または配偶者が15日間の育児休暇を取得できる制度が導入されたと説明した。「2」に関しては、安全な歩道、十分な照明、利用しやすい公共交通機関、誰もが使える公共空間など、生活者の視点に立った都市設計が不可欠だとし、「3」に関しては、本来最も安全であるべき家庭で、依然として女性や子どもが暴力にさらされている現状を指摘。「家庭内の問題ではなく公共の問題」とし、保護体制の強化と支援へのアクセス向上を進めると約束した。

 アヌティン首相はさらに、「世界各国で女性の役割向上が長期的な経済・社会発展の鍵とされている」と述べ、「女性が前に進めば、国も前に進む。女性が能力を発揮できれば、タイもその力を最大限に生かせる」と語った。また、W-Unityプロジェクトを推進してきた関係者に謝意を示し、「女性政策は女性だけの課題ではなく、政府の責務であり、社会全体の協力が必要」とした。

写真:タイ首相府

関連記事

トピック

ページ上部へ戻る