タイ総選挙、王室・軍改革掲げる革新野党大勝

【タイ】タイ字紙タイラットなどによると、14日投開票のタイ議会下院(定数500)選挙で、リベラル系のガウクライ党(ムーブフォワード党)とタクシン元首相派のプアタイ党の野党陣営が勝利した。

 世論調査や政治アナリストはプアタイ党が第1党になると予想したが、革新的な政策を掲げるガウクライ党がプアタイ党をしのぐ勢い。両党の獲得議席は300議席に迫る。

 与党側は財閥、政治閥の集合体のプームジャイタイ党が60議席以上、プラユット首相兼国防相(元タイ陸軍司令官、69)が事実上の党首の王党派新党ルワムタイサーンチャート党、プラユット首相の陸軍時代の上官であるプラウィット副首相(元タイ陸軍司令官、77)が党首で与党第1党のパランプラチャーラット党がそれぞれ40議席前後となる見通し。与党第3党でタイ最古の政党である民主党は20議席程度と壊滅的な敗北を喫したもよう。

 ガウクライ党は国王批判を禁じた不敬罪の改正、軍の縮小と徴兵制の廃止、県知事の公選制(現在はバンコクを除き中央から派遣される官僚が知事を務める)導入などを掲げ、タイの実権を握る王党派特権階級に正面から挑戦した。ガウクライ党の予想外の大勝は、特権階級、軍に対する国民の強い不満を反映したものといえる。

 ただ、総選挙後の首相指名選挙にはプラユット軍事政権(2014~2019年)が議員を選任した非民選の議会上院(定数250、任期5年)も投票するため、野党陣営は下院で375議席以上を確保できなければ、政権を奪取できない可能性がある。そこで鍵となるのは、プームジャイ党だ。同党は利益誘導型でイデオロギー色が薄い。目玉政策である大麻解禁でガウクライ・プアタイ陣営と妥協できれば、野党陣営に鞍替えする可能性がある。

■党首はスーパーエリート、革新ガウクライ党

 ガウクライ党のピター・リムジャルーンラット党首(42)は成績優秀で奨学金を得て米ハーバード大学の経営学と公共政策の修士号を取得した。実家の食品関連の企業を経営するなど実業家の経験もある。女優と結婚して女児を設けるが、その後、離婚した。華々しい経歴に加え、甘いマスクで女性人気が高い。

ガウクライ党のピター党首(写真提供、Move Forward Party)

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