ブラックチンティラピア、遺伝的多様性が高いとの研究結果

【タイ】タイで侵略的外来種とされるブラックチンティラピアについて、遺伝子解析を行った研究チームが「高い遺伝的多様性を確認した」と発表した。国内の個体群は西アフリカの基準個体群と遺伝的に近い特徴を持つことが明らかになった。

 研究はチュラーロンコーン大学の水産資源研究所(ARAI)が主導し、全国20地点で採取した466個体を対象に遺伝的構造を調べた。解析の結果、19種類の遺伝的ハプロタイプが確認され、国内個体群が比較的高い多様性を示すことが分かった。広範囲に分布する型がある一方、特定地域に限られる型も見られた。

 地理的に近い個体群でも遺伝的特徴が大きく異なる場合がある一方、離れた地域の個体群が似通った特徴を示す例も確認された。研究チームは、自然分散、人為的移動、異なる起源の個体群の混合など複数の要因が影響している可能性を指摘している。

 ただ、DNA解析だけでは国内への侵入経路や拡散の過程を特定することはできないという。DNAは個体群間の関係性、多様性、地理的分布を把握する上で有用だが、人間の行動や特定の歴史的事象を直接示すものではないと強調。「DNAからは、誰が魚を持ち込んだのか、いつ放流されたのか、養殖施設から逃げ出したのかといった点は分からない」と述べ、輸出入記録、養殖履歴、現地調査、公的文書など追加の証拠が必要だとした。

 研究チームは、遺伝情報は国内のブラックチンティラピア個体群の構造や遺伝的変異を把握し、長期的な監視や管理方針の策定、外来種対策の強化に役立つと説明している。

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