【タイ】タイ観光業評議会によると、南部スラー・ターニー県サムイ島で深刻な干ばつと観光ピークが重なり、水不足が事業活動に影響を及ぼしている。観光業者からは、増え続ける来島者に対応するための水インフラへの投資拡大を求める声が上がっている。
今年のサムイ島の観光業は、中東情勢の不安定さにもかかわらず例年より好調とされる。タイの一般的なハイシーズンとは異なり、タイ湾にあるサムイ島は6月以降が繁忙期で、宿泊稼働率も高水準を維持しているもよう。
一方でエルニーニョ現象による極端な乾燥が続き、取水可能な生活用水が大幅に減少している。来島者数は閑散期でもコロナ禍前を上回る状況が続いており、水需要は年々増加しているという。
島が必要とする水量は1日あたり3万4000立方メートルだが、本土からの送水は同1万6000立方メートルにとどまる。サムイ島の地方水道公社(PWA)は、スラー・ターニー県と連携して供給量の増加を図るほか、現在故障中の海水を淡水化する逆浸透(RO)プラントの修復を進めている。また、住民への供給を効率化するため、島内を3ゾーンに分けた7日間サイクルの配水も8月3日に開始する。
ホテル業界では、私設業者から地下水を購入するケースもあり、料金は1立方メートルあたり150〜300バーツと、水道料金の同20〜30バーツと比較してかなりの割高となっている。タイ観光業評議会は、「問題は管理の失敗ではなく、観光成長にインフラ整備が追いついていないこと」と指摘。「不動産開発、飲食店、空港拡張など新規投資が常に進行している。政府は長期的な観光需要を見据え、追加の貯水施設、ROプラント、海底送水管など水資源の安定確保策を計画する必要がある」とした。
サムイ島の島民は7万人程度だが、ハイシーズンには人口が労働者と旅行者・観光客を合わせて40万〜50万人に達する。島内には少なくとも600棟のホテルがあり、客室数は2万4000室に上る。民泊やプールヴィラを含めるとさらに多いという。
現時点で水不足による大規模な予約キャンセルは発生しておらず、今年後半の予約状況も堅調。年間来島者数は昨年の400万人を上回ると期待される。


























