【タイ】タイの石油大手バンジャーク・ペトロリアム(BCP)は、香港のカルテックス給油所事業を21億香港ドル(430億円)で買収したと発表した。北アジア市場への本格進出に向けた拠点とする。
同社は7月2日、シェブロン・カンパニーズ(中国)からシェブロン香港の全株式の取得を完了した。タイのメディアが香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストの関係者の話として伝えるところによると、売却の背景には燃料需要の減少、電気自動車(EV)の普及、香港のドライバーが中国本土側で給油する傾向の強まり、中国本土勢との競争激化がある。
給油所は買収後も、バンジャークとシェブロンとのライセンス契約に基づいてカルテックスブランドで運営される。シェブロン香港は工業用燃料、船舶燃料のほか、香港域内で31カ所の給油所を展開。2024年末時点の売上高は50億香港ドル、税引き後利益は2億6330万香港ドルだったという。
今回の買収は、「バンジャークの北アジアでの事業基盤強化に向けた地域戦略の一環」と位置づけられ、社名は「バンジャーク香港」と改称された。アセアン域内の企業による案件としても大規模で、広東、香港、マカオ大湾区とアセアン諸国が貿易関係強化を進める中で注目される買収となった。
香港のガソリン市場は5ブランドが競合する激戦区で、EVの急速な普及が課題となっている。燃料価格の安い中国本土側の深圳や珠海で給油するドライバーが増えており、香港のガソリン価格は世界最高水準の1リットル31.80香港ドルに達している。中国本土の価格は9.80香港ドルで、香港のおよそ3割にとどまる。
バンジャークは今年1月、事業を精製、マーケティング・バイオ燃料、資源、電力・インフラ、石油取引、新規事業の5部門に再編している。
























