タイでスタートアップ支援拡充 国家革新庁に出資権限を付与

【タイ】政府は、スタートアップ企業の市場拡大を支援するため最大200万バーツ(1000万円相当)の補助金を受け付けるとともに、高等教育科学研究革新省(MHESI)傘下の国家革新庁(NIA)に企業への出資権限を付与し、研究成果の商業化を促す体制を整えた。パッダーラット・トーンサルアイコーン政府副報道官が7月2日に発表した。

 製品やサービスが市場投入可能な段階にあるタイ企業やスタートアップに対し、NIAの「Market Expansion」事業への応募を呼びかけている。支援金は1件あたり最大200万バーツで、ターゲット顧客による実証や市場拡大を目的とし、事業期間は1年以内とする。

 支援は、政府機関向けは全額補助、民間向けは半額補助の2種類。対象は農業、食品、医療・ヘルスケア、エネルギー・環境、観光・ソフトパワー・社会の5分野で、初期顧客の獲得や事業拡大、国内外での競争力向上を支援する。

 今回の支援拡充は、NIA設置法改正(第3号)の施行に合わせたもの。パッダーラット副報道官は、改正によってNIAの機能が強化され、政府、民間、大学、研究機関の連携を促し、研究成果や技術を迅速かつ効率的に商業化できるようになると説明した。

 改正法の要点は、NIAが企業の株式取得、出資、パートナー参画を直接行えるようになったことで、従来の助成金やインキュベーション中心の支援から大きく踏み出す。ベンチャーキャピタル・トラストを通じた投資も可能となり、研究から開発、商業化まで一貫した支援が可能になる。ただ、出資は利益追求が目的ではなく、イノベーション・エコシステムの発展が目的であることが法令で明記されており、すべての投資は今後閣議決定される基準に従って行われる。

 今回のNIAの権限強化により、特に開発期間が長く初期投資が重いディープテック系スタートアップの資金調達手段が広がる。助成金だけでなく、NIAが直接投資できるようになることで、試作開発から市場実証、初期顧客獲得、事業拡大まで継続的な支援が可能となり、タイのイノベーション基盤強化と民間投資家の信頼向上につながるとした。

支援応募:http://mis.nia.or.th

●タイ・イノベーション登録制度を再編 製品審査権限を国家革新庁に移管

パッダーラット政府副報道官 写真:タイ首相府

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