【タイ】タイ前政権が打ち出し、10月1日に開始する計画だったバンコク都市鉄道「運賃上限20バーツ」制度が、取り止めとなる方向だ。新政権による方針が示されず、2023年10月以降先行して同制度を導入していた路線は、通常運賃に戻す準備を進めていると報じられている。
タイの複数メディアが運輸省関係者の話として伝えるところによると、現政権は前政権から同政策を引き継ぐことはなく、レッドラインおよびパープルラインの上限20バーツという現設定も9月30日に終了。レッドライン関係者も「最終的な判断は新運輸相による」としながらも、通常運賃に戻す方向で動いていると語った。レッドラインの本来の運賃は12〜42バーツ、パープルラインは14〜42バーツ。
下野したプアタイ党は新政権に対し、パープルラインおよびレッドラインの運賃設定と、今後の都市鉄道全体への適用を求めているもよう。ただ、アヌティン・チャーンウィーラクーン首相は就任直後より、「財政負担が年間80億~90億バーツにのぼる」とし、代替案を示していた。
前政権では、前副首相兼運輸相が10月1日の開始を強調していたが、前副運輸相が8月後半になって「関連法が成立していない」と明かすなど、政権交代前からすでに計画どおりの実現が疑問視されていた。
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