隣県チョンブリー県と共に東部臨海工業地帯(イースタンシーボード)を形成し、製造業、特に自動車産業で栄える県。2009年、環境保護に関する憲法の要件を満たしていないとして、化学や鉄鋼など日系を含む64事業が裁判所命令で凍結されたマプタプット郡が、タイ湾に面している。
観光業としては、ビーチリゾートのサメット島が有名。マプタプットから直線で20~30キロしか離れていないが、環境問題は起きていない。地元タイ人の避暑地として地味な存在だったが、やがて外国人にも人気が出てきて、すっかりにぎわうようになった。大陸側、ラヨン市郊外にも透明度が高い海岸が延びているが、急深で遊泳に不向きなため人影は少ない。
また、現王朝初期に活躍したタイきっての詩人スントーンプーの故郷(クレーン郡)で、県の代名詞にもなっている。マンゴスティン、ランブータン、ドリアンなどのフルーツが多く採れ、雨期入りに行われるフルーツフェスティバルには、東部在住の日本人が多く訪れる。2024年は乾期の終わりに猛暑が続いたため、フルーツの王様とされるドリアンは成長する前に木から落ちてしまうなど、不作となった。
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人口: 75万1,000人(2021年、内務省地方自治振興局)
面積:3,552平方キロメートル(エネルギー省)
距離:バンコクから179キロ(タイ道路協会)
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