〈タイ業界事情〉ERPシステムにおける戦略情報システムとしてのAI活用方法 BANGKOK TOKI SYSTEM CO., LTD.

難波 孝次 氏 Managing Director

戦略情報システムと言いますと、よく例として挙げられますのがコンビニエンスストア等でのPOSシステムで、具体的には商品に貼られたバーコードラベルを販売時に読み込むことにより、様々な販売情報をシステム内に蓄積していき、同データを今後のマーケティングに活かすというシステムとなります。分かり易い例を挙げますと、毎年8月には特定銘柄の商品が売れ行きが良くなるので、あらかじめ同商品の在庫を増やしておくとか、商品Aと商品Bは同時に購入されることが多いため陳列場所を近くにしておくとか、要は今までの業務管理システムが経費を抑えるための守りのシステムだとすれば、戦略情報システムは販売を促進する為の攻めのシステムであると言えますでしょうか。

POSシステムと戦略情報システム

 ただERPシステムに関連して前述のPOSシステム以外で、このような蓄積された過去情報を元に戦略的判断をおこなうと効果的なものと問われましても、少し返答に困るのではないでしょうか。単純に考えれば、ERPシステム自体には様々な実績データが入力されることは確かですが、そのデータを分析して例えばボタン一つで商品別の粗利率を求めたりといったことは出来るでしょうが、ボタン一つで販売を促進させることが出来るのかというと、それは流石に違うのではないかという答えが返ってくるように思います。

 それでは、「戦略情報システム」という名称としては何となく高尚な感じのするものの、中身はPOSシステムのマーケティング活用くらいで、一般の企業ではそれほど縁のあるようなものではないのかというと、ここでまたAI機能を登場させることにより色々な可能性が見えてまいります。
元々AIと言いますのは、人間の思考ロジックと同じようなものをコンピューターにより実現できないかというところから始まっており、またコンピューターが人間より優れている点として膨大な量のデータを即時に誤りなく処理出来るということで、この利点を使えば無尽蔵に蓄積された過去の実績データを元にして未来予測をおこなうことも理論上は可能となりまして、この予言機械を構築することはAIテクノロジーの一つの到達点になるかと思います。

ERPシステムと戦略情報システム

 もちろん未来予測とは言いましても、これから発生するであろう神羅万象全ての事象を言い当てることが出来るほど現在のAIは賢い訳ではなく、ある程度限定された未来ではあるのですが、それでも例えば今後数年間に渡る販売予測が、様々な条件によりシミュレート出来るとすれば、会社内のマーケテイングや生産管理はもちろん、購買や倉庫部門及び人事総務に至るまで、あらゆる部門においてかなり有効なツールとなり得るのではないでしょうか。

 またAIの優れている点といたしまして、使いこなせばこなすほど自ら学習を繰り返し賢くなっていくというものがございます。具体的には昨年の予測内容と今年の実績が異なっていた場合、その差異を分析した結果を今年の予測に反映していくという仕組みで、もちろん学習結果を蓄積するエリアや処理時間等についてのハードウェアに依存する制限があるにはあるのですが、理論上では限りなく正解に近づいていくことが可能となります。

 では具体的にどのような手法で販売予測をおこなうのか、またその予測はどの程度の信憑性を持っているものなのか、あと予測の正解率を上げるにはどのように運用をおこなえばよいのか等々、詳細についてとなりますと少々長くなりますので、続きはまた次回の機会に話をさせていただけますでしょうか。

BANGKOK TOKI SYSTEM CO., LTD.
住所:333 Lao Peng Nguan Tower 1, 17th Floor, Unit B1, SoiChaypuang,
Viphavadi-Rangsit Road, Chomphol, Chatuchak, Bangkok 10900
電話:0-2618-8310-1 ファクス:0-2618-8312 Eメール:toki@ksc.th.com
ウェブサイト:www.bkktoki.com

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